推論問題で得点するための対策について、実は昨年の7月にご質問をいただきました。
ご返信が大変に遅くなり、申し訳ございません。
推論問題については、よく国語の問題として解く姿勢でいれば大丈夫だよ、
こんなアドバイスが多いように思います。
確かに、国語が得意な人にはそれで納得がいくし結果も生まれるかもしれません。
しかし、どうしても推論が苦手な人もいると思いますので、
合格して司法書士実務に就いてから気づいた推論対策を紹介します。
現在、司法書士には簡易裁判所管轄の紛争事件では弁護士と同じ
職務権限が付与されています。紛争事件を解決するには必ず訴訟を意識
しなければなりません。司法試験の勉強を経験されている方はご存知かと
思いますが、訴訟に望むには、必ず、要件事実論を学習する必要があります。
これは、民法に代表される実体法を訴訟で使えるように解釈する議論です。
受験勉強で学習する民法には、殆どの条文で、「これこれの場合は、こうである。
ただし、これこれの場合はこうである。」と規定されています。
これは、これこれの場合であることが確定されていることが前提となっています。
しかし、訴訟では、これこれであるかどうかが証拠がないために争いとなるから
紛争が起きて裁判所に持ち込まれるわけです。
要件事実論とは、これこれであるかどうかが証拠がないために争いとなった
場合には、これこれであるかどうかを、原告か被告かどちらが証明したら
よいかなどを考えて、実体法の解釈をする議論です。
この要件事実は、推論そのものなのです。
訴訟では、当事者が体験した色々な過去の事実を、実体法に当てはめて
法的に意味があるかどうかを検討し、法的な権利があるかどうかを推論して
勝敗を決めます。
ですから、要件事実論を勉強することは、推論の技術を勉強することなのです。
かと言っても、あくまでも司法書士試験に合格することが目的ですから、
司法書士試験に合格するのに直接的に関係しない要件事実論を詳しく勉強する
必要はありません。司法書士試験の推論問題で得点するのに必要な程度で
かまわないからです。
そこで、司法書士試験の推論問題で得点し易くなることに適していると思われる
参考書を紹介しておきます。
これは法科大学院で使用されているもののようですが、入門書なので、
勉強の休日には十分に読み終えることのできる内容です。
是非、試してみてください。
これを読んで、自分が裁判官ならどういう判断を下すかを常に意識しながら、
これまで勉強された、司法書士試験科目の内容の知識を活用して、
推論問題を解いてみてください。そこに活路があると思います。
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